ヨーロッパとアメリカの関係史

ヨーロッパとアメリカの関係史

ヨーロッパとアメリカの関係史は、移民・貿易・戦争と同盟を通じて深く結びついてきた歴史だ。 大航海時代の植民や独立戦争、二度の世界大戦を経て、政治と経済の両面で緊密な協力関係が築かれたのである。 本ページでは、ヨーロッパの外交や経済、文化などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

ヨーロッパとアメリカの関係史


アメリカは常に正しいことをする。
あらゆる他の選択肢を試したあとで。


─ ウィンストン・チャーチル(1874-1965)


1492年、クリストファー・コロンブスがヨーロッパ人として初めてアメリカ大陸を発見し、イギリスフランススウェーデンスペインオランダといったヨーロッパ諸国によるアメリカ植民地化が始まりました。その後植民地課税問題でアメリカ住民とイギリス本国との対立が悪化したことで、アメリカ独立戦争に発展。アメリカがこれに勝利したことで、政治的独立を果たし、1776年アメリカ合衆国という国家が誕生したのです。


アメリカ大陸に上陸するクリストファー・コロンブス


アメリカは今でこそ、絶大な政治的・経済的影響力を持つ超大国として、世界をリードする立場にありますが、19世紀後半頃までその立場にあったのはヨーロッパ諸国でした。スペイン、フランス、イギリスと情勢により度々主役交代は起こったものの、世界の支配者はいつだってヨーロッパ諸国だったのです。


ヨーロッパとアメリカの地位逆転が起きたのは、ヨーロッパが第一次世界大戦第二次世界大戦と度重なる内戦で消耗・衰退していったためです。逆にアメリカは、そういった戦争を支援したり、豊富な天然資源を背景に、みるみる国力を拡大していきました。アメリカはヨーロッパと違って、周囲に対立する強国がなかったのも、大きなアドバンテージとなりました。