十字軍がイスラムに与えた影響とは?

東方貿易の繁栄や封建制の衰退など、十字軍遠征がヨーロッパに与えた影響についてはよく語られますが、逆にイスラム世界に与えた影響にはどんなものがありますか?

十字軍遠征がイスラム世界に与えた影響としては以下の点があげられます。

 

共通の目的を持ち団結した

十字軍による侵略を受けるまで、イスラム勢力は派閥に分かれ反目しあっていました。しかし突如襲来した異教徒により、暴虐の限りを尽くされ、イスラム教徒は一致団結します。そして12世紀には奪われていた聖地エルサレムを奪還するのです。

 

地中海の覇権を失った

十字軍遠征の前まで、イスラム勢力はシチリア島など地中海の島々を占領し、地中海の海上覇権を握っていました。しかし十字軍遠征が始まると、遠征拠点として栄えたイタリア諸国による駆逐が進み、再度の覇権確立は15世紀のオスマン帝国の台頭まで待つことになります。