二月革命(ロシア)

二月革命(ロシア)

二月革命は、1917年3月、第一次世界大戦末期に起こった、ロマノフ朝ロシア帝国を崩壊させるにいたった革命運動です。グレゴリオ暦では3月に起こった出来事ですが、当時ロシアが採用していたユリウス暦では二月に起こったことから一般的にこの名で呼ばれています。

 

二月革命の背景

二月革命直前のロシアは、総力戦となった第一次世界大戦が予想以上に長引いていた影響で、深刻な経済不況に陥っていました。国民の間に不満が高まる中、ユリウス歴2月の国際婦人デーに首都ペトログラードで婦人労働者が食料配給の改善を求め「パンをよこせ」とデモが発生。それに呼応するように専制政治や戦争に反対する他の労働者・市民が大規模なデモを起こすようになるのです。

 

二月革命の影響

ニコライ二世は軍隊・警察によるデモ隊の武力鎮圧を図りますが、警官隊がデモ隊に発砲したことで多数の死傷者を出してしまいます。これで民衆の怒りが頂点に達し、鎮圧に向かった兵すら労働者側についたことで、ニコライ二世は事態収拾不可能とみて退位を決意、1721年以来のロマノフ朝ロシア帝国は崩壊するに至ったのです。

 

十月革命へ

帝国政府に代わり、ケレンスキーを首班とする共和政体の臨時政府が成立し、ロシアの統治を引き継ぎました。しかしこの臨時政府はまもなく国民からの支持を落としたので、1917年11月(ユリウス暦では10月)、ボリシェビキ率いる社会主義勢力に打倒されています。(十月革命