アイルランド自由国

アイルランド自由国とは

アイルランド自由国とは、1922年にイギリスから自治権を得て成立した国家のことを指す。これは英愛条約に基づくもので、英連邦に属しつつも独自の政府と議会を持つ体制であった。本ページでは、アイルランドの独立運動や英連邦との関係、政治的変化などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

アイルランド自由国


自由国家の設立とは、独立を勝ち取ったという記念碑ではない。それは、自由を日々守り、育てていくという責任の始まりにすぎない。



─ アイルランド初代首相・ウィリアム・T・コズグレイヴ(1880 - 1965)


アイルランド自由国は、アイルランド独立戦争(1919~21年)の結果、1922年に成立した立憲君主制国家です。長年続くアイルランド人の独立闘争の末成立した国といえますが、その背景となった英愛条約では、アイルランドに自らの行政府、立法府を持つこと、外交権も認める一方で、軍事権・貿易権・漁業権・関税権に制限をかけ、イギリス国王への忠誠まで求めていました。


つまりアイルランド自由国とは、一応の自治は認められているものの、しょせんはイギリス傘下の自治国に過ぎない、名目だけの“自由国”だったのです。


アイルランド内戦へ

そのためアイルランド国内で英愛条約賛成派・否定派が激しく対立し、今度は同胞同士が殺しあうアイルランド内戦(1922~23年)へと発展していきます。条約賛成派のマイケル・コリンズ暗殺を始め、多くの犠牲が発生しましたが、最終的には条約反対派が鎮圧される形で終結。1922年には国王の裁可を得て、アイルランド自由国憲法が採択されています。


アイルランド自由国の国旗