アイルランド内戦

アイルランド内戦

アイルランド独立闘争(対英テロ闘争)を起こしたアイルランド共和軍

 

アイルランド内戦とは、1922年、アイルランド自由国(アイルランド独立戦争を経て成立)において、イギリスからの完全独立や北アイルランド地域の統治といった諸問題を原因として起こった内戦です。最終的には、アイルランド独立戦争以上の犠牲者を出す結果となりました。

 

 

アイルランド内戦の原因

アイルランド独立戦争の講和条約、英愛条約の内容に基づき、アイルランド自由国が誕生しました。アイルランドは長年待ち望んだ自治を達成したかの見えましたが、その条約の実態はプロテスタント系住民の多い北部地域はイギリス領に留まり、南部もあくまで自治領として扱われるというものでした。その中途半端な独立を遂げた結果、今のまま妥協すべきとする講和派と、あくまで完全な独立を目指すべきであるとする完全独立派に分かれ、同胞が殺し合う内戦へと発展していってしまうのです。

 

アイルランド内戦の結果

アイルランド内戦は、主要都市を巡る激しい戦闘や暗殺、処刑といった凄惨な出来事が続きました。最終的に政府側(自由国派)が勝利し、内戦は終結しましたが、その代償は非常に大きいものでした。

 

犠牲者数

内戦の犠牲者は約4000名に上り、アイルランド独立戦争を上回る死者を出しました。

 

経済的被害

戦争の影響でインフラや経済基盤は大きく損壊し、アイルランド社会は深刻な経済的打撃を受けました。

 

アイルランド内戦の影響

内戦終結後、独立派と講和派の対立は政治の舞台へと移行しました。この抗争の中でアイルランドの政治と社会は次第に安定し、以下のような重要な進展を遂げました。

 

完全独立の達成

1949年、アイルランドは完全独立を宣言し、アイルランド共和国として正式にイギリス連邦を離脱しました。これは、内戦を経て構築された自由国政府が基盤を固めた結果といえます。

 

北アイルランド問題の和平

長年にわたる独立派と北アイルランドの抗争は、1998年のベルファスト合意の成立により、平和的解決への道が開かれました。この合意は、内戦以来続いていた政治的対立を終息させる一歩となりました。

 

アイルランド内戦は、国家の形成において深い傷跡を残しましたが、その後の完全独立や和平の進展に繋がる重要な転換点でもありました。社会的な分断を乗り越え、アイルランドは統一と安定を目指す道を歩み始めたのです。