欧州連合（EU）の旗

 

欧州連合（英：Europian Union,略称EU）は、マーストリヒト条約（1993年）に基づき成立し、2021年9月現在27か国が加盟するヨーロッパの共同統治機関です。行政機関（欧州委員会）・決定機関（欧州連合理事会）・立法機関（欧州議会）といった国家並みの統制機関を持ち、国境のない単一市場「ユーロ圏」を形成する世界最大の地域統合体でもあります。

 

 

 

EU設立の背景

二つの大戦はヨーロッパが再び一つにまとまる契機となった。

 

ヨーロッパに未曾有の被害をもたらした第二次世界大戦終結後、平和への道が模索される中「ヨーロッパ統合構想」が開始されました。そしてECSC（ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体）・EEC（ヨーロッパ経済共同体）・EURATOM（ヨーロッパ原子力共同体）などいくつかの経済同盟の設立を経て、最終的にはこれらが統合することで欧州連合（EU）の設立に至ったのです。

 

EUの目的

EUは外交・安全保障政策の共通化と経済統合、ヨーロッパ市民権の導入などの実現を目的としています。経済統合と政治統合は並行して進められ、とりわけ経済統合に関しては、2002年に単一通貨ユーロが発足したことで達成されています。

 

ただもっと根本的な目的があります。それはヨーロッパの平和と共存・共栄です。

 

ヨーロッパは最速で産業革命を達成し、長らくそれを原動力に国際社会をリードしてきましたが、二度の大戦で未曾有の損害を負い没落します。代わり台頭したアメリカやソ連というヨーロッパ域外の存在に、存続を脅かされる状況に初めて直面したのです。

 

これを受け、もう二度とこんな悲劇を起こさないようにしよう、共同体としての「ヨーロッパ」の原点に立ち返り、共に大国に対抗していこうと、共存・共栄の誓いとして設立したのが、欧州連合（EU）という超国家的組織なのでした。