地中海から紐解くヨーロッパ史

地中海から紐解くヨーロッパ史

地中海はヨーロッパ史の展開を理解するうえで欠かせない舞台だ。交易の中心地で文化が交流し、戦争や帝国の興亡が繰り返された地域である。本ページでは、ヨーロッパの文明発展や国際関係、文化交流などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

地中海

地中海


地中海はアフリカとヨーロッパ、アジアに囲まれ、ジブラルタル海峡で大西洋と通じている海域です。名前Mediterranean Seaは「大陸に囲まれた海」という意味。


地中海の人類史

古来よりヨーロッパ人の文化・生活の営み、経済活動を支えてきた「ヨーロッパ文明の母」ともいえるような海です。古代ギリシア最古の文明エーゲ文明が栄え、古代ローマの隆盛と、同国による海上覇権の確立にともない形成された「地中海世界」は、現ヨーロッパ世界の原型ともいえるのです。


古来より制海権争いがさかん

中世以降も東方貿易の交通路として重用されましたが、大航海時代の始まりで新大陸やアジアに目が向けられるようになると、その重要性は低下。しかし1869年のスエズ運河開通により経済・軍事上の重要性を取り戻し、20世紀「戦争の世紀」を通して、列強による制海権争いが繰り広げられるようになりました。