アングル人の特徴〜サクソン人との違いは?〜

アングル人は、西ゲルマン人に属し、イギリスのアングロ・サクソン人を構成した一種族です。6世紀頃、ゲルマン民族大移動の一環として、サクソン人、ジュート人とともに原住地のユトランド半島から、イングランド北東部に移住しました。そこで先住民族のブリトン人を駆逐しいくつもの王国を建国し、後のアングロ・サクソン人の祖先となったのです。

 

 

 

民族名の語源

“アングル人”という呼称の語源は、原住地であるアンゲルン半島に由来すると考えられています。

 

アンゲルンの地名の由来は

 

  • ゲルマン語で「狭い(水辺)」という意味を表す語が元になった。
  • インド・ヨーロッパ語族の「曲がった」という意味の語が元になった。

 

など諸説あります。その歴史的経緯から、アングル人の名はイングランド、およびイングランド人の名前の語源となっています。フランスでも、アングル人の土地という意味の「Angleterre」という言葉が、イングランドを指す際に使われています。

 

サクソン人との違い

アングル人とサクソン人は別の民族で、4世紀から5世紀にかけてイングランドに渡り同化、アングロ・サクソン人となりましたが、移住以前も同者の文化や慣習の違いはそう大きくありませんでした。

 

どちらもドイツ

 

大陸側:ニーダーザクセン地方(サクソン人)
ユトランド半島側:シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州(アングル人)

 

という隣り合う地域に居住し、用いる言語も同系統でかつ、宗教もキリスト教化されるまでは、ゲルマン神話の神々を信仰していました。