ヨーロッパで盛んな「農業」の種類と特徴

ヨーロッパで行なわれている農業には混合農業・酪農・園芸農業・地中海式農業などがあります。農業はその地域の特色と深く結びついているので、「どの国や地域で」、「どういった農業が」行なわれているか知ることで、その地域の気候、文化、地勢など様々な情報を知ることができます。

 

 

 

混合農業の特徴

生産物:牛、豚、鳥、小麦、ライ麦、トウモロコシ
主要生産国:ヨーロッパ中緯度地域(イギリス南東部、イタリア北部、ドイツ、フランスなど)

 

ヨーロッパ中緯度地域の農業の基本形態で、家畜飼育(牛、豚、鶏)と作物栽培(小麦、ライ麦、トウモロコシ)を組み合わせて行なわれる農業です。トウモロコシや小麦などの栽培に適した西岸海洋性気候のならではの農業形態といえます。中世ヨーロッパで行なわれていた三圃式農業(さんぽしきのうぎょう)が発展したものです。

 

酪農の特徴

生産物:チーズ、バター
主要生産国:アイルランドオランダスイスフランス

 

酪農は牛や羊、やぎなどを飼育して乳をしぼったり、その乳からチーズやバターなどの乳製品を作ったりする農業です。冷涼な高地を中心に行なわれ、ヨーロッパではオランダフランススイスなどが主要産出国として知られます。

 

地中海式農業の特徴

生産物:オリーブ、ブドウ、柑橘類、小麦・大麦
主要生産国:イタリア、ギリシャスペインポルトガルなど

 

地中海沿岸の地中海気候地域で行なわれている農業です。夏乾燥し、冬にたっぷり雨が降るという気候を活かし、夏にはオリーブ・ぶどう・柑橘類など樹木作物の栽培が、冬には小麦・大麦といった穀物の栽培が行なわれています。

 

園芸農業の特徴

生産物:野菜、果物、観賞用の花、庭木など
主要生産国:オランダ

 

都市部で需要が高い野菜や果物、観賞用の花、庭木などを栽培する農業です。オランダでさかんに行なわれています。近郊農業、促成栽培、抑制栽培などの種類があります。