古代ダキア人が使用した武器

ダキア人は、紀元前1000年頃から、現在のルーマニアにあたるダキア地方に住んでいたトラキア系の民族のことです。現在のルーマニアでは、このダキア人とローマ人の混血である「ダコ・ロマン人」がルーマニア人の祖先であると考えられています。

 

 

ダキア人の居住地

ダキア人の暮らしていたダキア地方(現在のルーマニアの国土)は、ドナウ川の北側に拡がる広大な地域です。かつてダキア人が支配していた地で、一時期はローマを脅かすほどの力を持っていました。しかし2世紀初めにローマ帝国の皇帝トラヤヌスがダキア戦争を始め、二次に渡る長期戦の末、ローマの属州となりました。

 

ダキア人の歴史

ダキア人が栄えていた頃、古代ギリシア人には「ゲタエ人」と、古代ローマ人には「ダキア人」と呼ばれていたようです。ローマ領にたびたび侵入し、ローマの脅威となる存在でしたが、101年に起こったダキア戦争に敗れローマに服属することになりました。その後ローマの保護下で平穏な状況が続き増したが、3世紀に入りローマの国力が脆弱になったことで、様々な民族の侵入を受けるようになり、ついにダキアの文化は消滅してしまいました。

 

ダキア人の武器

ローマ人を苦しめたダキア人の武器として「ファルクス」と呼ばれる刀剣が知られています。この刀剣は全長120cmを超える大刀で、鎌のように反り返ったフォルムが特徴的でした。斬れ味重視で片刃になっており、ローマ兵の手足を一振りで持っていったといいます。

 

これは刀自体の性能はもちろんですが、相当な重量の大剣を振り回すダキア人の腕力があってこその芸当でもあります。ローマ軍は兵士の手足を保護する特別なプロテクターを作って、これに対抗。ファルクスを攻略し、ダキアを征服することができました。