ヨーロッパに流れる有名河川一覧〜欧州最長の川は?〜

ヨーロッパにはたくさんの河川があります。ヨーロッパの河川は古来より重要な交通網として利用されてきて、ヨーロッパ文明の発展を根本から支えてきました。また民族と民族を隔てる国境としても機能してきたので、ヨーロッパの地理歴史を理解する上で重要な地形的特徴です。最低限主要な河川は覚えておきましょう。

 

 

 

ライン川(1233km)

流域国:スイス・ドイツ・フランス・オランダ
延長:1233km
水源:スイス
河口:北海

 

ドイツに流れるのが698kmと大部分を占めています。そのためドイツにとっては水産業の面で非常に重要な川となっています。ドイツ史の歩みの軸となった川といっても過言ではなく、ドイツではこの川のことを「父なる川」と呼んでいます。

 

ライン川の詳細:長さ・流域面積・役割など

 

ドナウ川(2,860 km)

流域国:ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、セルビア、ドイツ、スロバキア、ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、ウクライナ、チェコ、スロベニア、モルドバ、スイス、イタリア、ポーランド、アルバニア
延長:2,860 km
水源:ドイツ・シュヴァルツヴァルト
河口:黒海

 

ヨーロッパ諸国を繋ぐ全長2850kmの長大な河川です。ヴォルガ川に次ぐ2番目に長い川で、昔からヨーロッパにおける重要な交通路として使われていました。ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、セルビアに流れる分が、総延長の6割を占めています。

 

エルベ川(1,091km)

流域国:ポーランド、オーストリア、チェコ、ドイツ
延長:1,091km
水源:ステーティ山地
河口:北海

 

1,091kmという全長はヨーロッパでは14番目の長さ、このうち727qはドイツ国内を流れています。19世紀まではヨーロッパを東西に隔てる境界線として機能していました。(西がフランス、イギリスなど、東がプロイセン王国、オーストリア・ハンガリー帝国)第二次世界大戦末期には、ナチス殲滅を共通の目的に、アメリカとソ連が「エルベの誓い」を行った舞台としても知られます。

 

ヴォルガ川(3,690 km)※欧州最長

流域国:ロシア、カザフスタン
延長:3,690 km
水源:ヴァルダイ丘陵
河口:カスピ海

 

ロシア西部を流れるヨーロッパ最長の川です。古くからロシアの内陸輸送路として利用されており、ロシアの産業を支えてきました。その経済的重要性から「ロシアの母なる川」と呼ばれています。ヴォルガ川中流域からウラル山脈にかけての地方はイデル=ウラルと呼ばれ、タール人、バシキール人、マリ人が居住しています。

 

セーヌ川(780 km)

流域国:フランス
延長:780 km
水源:スルス・セーヌ、フランス・コート=ドール
河口:セーヌ湾(イギリス海峡)

 

フランスを流れる川として有名です。全長は780kmで、ディジョンの北西30kmからパリを流れ、ル・アーヴルとオンフルールの間のセーヌ湾に繋がっています。フランスではロワール川に次ぐ長さとなります。パリの発展において重要な役割を果たしてきました。観光名所のエッフェル塔から見れます。

 

オーデル川(854.3 km)

流域国:チェコ、ドイツ、ポーランド
延長:854.3 km
水源:チェコ・ズデーテン山脈
河口:バルト海

 

中央ヨーロッパを流れるドイツとポーランドの国境として設定されている河川です。オーデルはドイツ側の発音で、ポーランドではオードラ川と呼ばれています。古代ローマ時代には、ゲルマニアの奥地を流れる川として知られ「ヴィアドルス川」または「ヴィアドゥア川」と命名されていました。両側の岸に住んでいた多数の民族にとって、重要な交易路になっていました。

 

ドニエプル川(2,290 km)

流域国:ベラルーシ、ウクライナ
延長:2,290 km
水源:アクセニア・モーフ沼、ヴァルダイ丘陵南部
河口:ドニプロ・ブーフ潟、黒海

 

ベラルーシとウクライナの国境になっている河川です。古代よりこの流域では様々な民族が生活していて、北欧地域から東ローマ帝国へと至る水上交易路「ヴァリャーグからギリシャへの道」の一部でもありました。

 

ポー川(652 km)

流域国:イタリア
延長:652 km
水源:モンヴィーゾ
河口:アドリア海

 

イタリア国内を流れる、イタリアで最も長い川です。ポー川流域はヨーロッパ有数の農業地域として知られ、とくにイタリア北東部のエミリア=ロマーニャ州は「イタリアの食糧庫」と呼ばれるほど食品産業がさかんです。

 

ロワール川(1,012 km)

流域国:フランス
延長:1,012 km
水源:中央高地
河口:大西洋

 

フランス中央部を流れる川です。ロワール川流域に広がるロワール渓谷には、歴史上の重要都市が点在しており、主要部分がユネスコの世界遺産に登録されています。障害となるダムや水門が少ないためクルーズスポットとしても人気で、自然や街の美しい景観を楽しむことができます。

 

ローヌ川(812 km)

流域国:スイス、フランス
延長:812 km
水源:サン=ゴタール山塊ローヌ氷河(スイス・ヴァレー州)
河口:地中海

 

ローヌ川はスイスとフランスにまたがる河川で、フランスにおいてはセーヌ川、ロワール川、、ガロンヌ川に並ぶ四大河川の一つです。フランス南東部に吹き付ける北風「ミストラル」は、ローヌ川流域を地中海へ吹き降ろす風物詩として知られます。

 

ガロンヌ川(647 km)

流域国:スペイン、フランス
延長:647 km
水源:ピレネー山脈
河口:ジロンド川

 

スペインカタルーニャ州北西部からフランス南西部にかけて流れる川で、両国の重要な内陸水路として機能しています。世界でも珍しい潮津波(波が上流へ逆流する現象)が起こる川としても知られています。

 

ヴィスワ川(1,047 km)

流域国:ポーランド
延長:1,047 km
水源:ベスキト・シロンスク山脈
河口:ヴィストゥラ潟

 

ポーランドに流れるポーランド最長の川です。古代ローマ時代には、流域に有力なヴァンダル族が居住していて、民族名はかつての川の呼び名である「ヴァンダルス川」に由来しているといわれています。

 

テムズ川(346 km)

流域:イギリス
延長:346 km
水源:ケンブル
河口:北海

 

南イングランドを流れる全長346kmの川で、ロンドン中心部を通り、同市内の河口にて北海に合流します。18世紀には、ロンドンがイギリス帝国の貿易の中心となったことで、世界一交通量の多い河川となりました。河口から90kmの距離まで、北海の潮汐(ちょうせき)の影響を受け、干潮時と満潮時で川の水位がかなり違います。

 

タホ川(1,007 km)

流域国:スペイン、ポルトガル
延長:1,007 km
水源:イベリコ山系ウニベルサーレス山地
河口:大西洋

 

イベリア半島中央部を流れ、大西洋へと注ぐ川です。ポルトガルでの呼び名はテージョ川。沿岸都市にポルトガルの首都リスボンがあり、この川はリスボンの防波堤としても機能しているため、古くから戦略的価値の高い川という位置づけでした。

 

ドン川(1,950 km)

流域国:ロシア、ウクライナ
延長:1,950 km
水源:ノヴォモスコーフスク付近
河口:アゾフ海

 

ロシアを流れる主要な川の一つで、ドン=ヴォルガ運河によりもう一つの主要な川ヴォルガ川と繋がっています。ロシアで最も重要な内陸水路の一つです。流域では紀元前9世紀〜紀元後4世紀にかけて、遊牧騎馬民族のスキタイ人が活動していました。