ヨーロッパの叙事詩紹介:『労働と日々』

叙事詩『労働と日々』の基本情報
原題
著者 ヘシオドス
執筆年代 紀元前7世紀頃
言語 古代ギリシャ語
題材 農耕や季節についての指南、神々や英雄の伝説
構成 800篇以上の詩行からなる
物語の舞台 古代ギリシャの農村
「労働と日々」を元にした作品 『冬の日々』(ウィリアム・ブレイク)など

『労働と日々』とは

労働と日々』は、古代ギリシャの詩人ヘシオドスによって紀元前7世紀頃に書かれた叙事詩で、ヘシオドスの主要な二つの作品の一つです。(もう一つは『神統記』で、ギリシャ神話の起源を描いた作品です。)

 

『労働と日々』は、農耕や季節の変化に関する具体的な指南を詩形で提供し、古代ギリシャの日常生活と労働に関する貴重な洞察をうかがい知ることができます。また、神々や英雄の伝説も組み込まれているのも特徴です。

 

詩の中で、ヘシオドスは働き者で正直な生活を讃え、怠惰な生活を非難しており、その背後には、公正な労働とその報酬を尊重する、古代ギリシャの価値観が見て取れます。

 

また、この作品は季節の変化や農耕の知識を伝えることで、同時に古代ギリシャの農村生活の理解にも寄与しています。それぞれの季節が何を意味し、それに基づいて何をすべきかを指導しているのです。

 

『労働と日々』は、農業に根ざした生活、正当な労働の価値、そして人間と自然との関係といったテーマを通じて、現代の読者にも多くの洞察を提供します。そしてその普遍的なテーマと芸術的な価値は、後の世紀の作家や芸術家に影響を与え続けています。