ヨーロッパの憲法

憲法とは

ヨーロッパ諸国の憲法は、立憲主義と人権保障を基本原則としつつ、歴史的背景や政治制度に応じた多様な形態を持つ。EU加盟国では欧州法との関係も重要である。本ページでは、さらに各国憲法の特徴や相互影響などについても詳しく解説していく。

ヨーロッパの憲法


憲法とは、政府に対する国民の信託を記した契約である。
それは権力を制限し、自由を保障するために存在する。


─ ジェームズ・マディソン『ザ・フェデラリスト』(1788)


憲法(constitution)とは「国民の権利(主権)」を保障し、「権力分立」を定めた国の最高法規のこと。「国の統治体制の土台」ともいえ、簡単に変えることができないのが通常の法律との大きな違いです。イギリスのように成文憲法(文字で書き記された憲法)を持たず、慣習的な規範が憲法の役割を果たしているケースもありますが、日本国憲法を擁する日本含め、世界中多くの国は成文憲法を保有し、それを軸に国家運営を行っています。


憲法の歴史

近代的憲法の発祥はヨーロッパ、1789年のフランス人権宣言に起源を持ちます。自由主義的な欲求が高まっていた当時において、専制君主に対する市民革命が勃発し、その結果として近代憲法の原点たる権力者に制約を加える基礎法が確立されたのです。


近代憲法の祖ともいえるフランス人権宣言


そして帝国主義の時代になりヨーロッパの勢力が地球規模に拡大。近代憲法を軸としたヨーロッパの国家・社会のあり方が、日本含め世界中で理想のモデルとされ、それに習った改革が積極的に行われるようになりました。そのためヨーロッパの憲法のあり方やその歴史を知ることは、今の世界秩序の原点を探ることにもなるのです。