ヨーロッパで混合農業がさかんな理由とは?

混合農業はヨーロッパ中緯度地域(イギリス南東部、イタリア北部、ドイツフランスなど)で行なわれる代表的な農業です。家畜飼育(牛、豚、鶏)と作物栽培(小麦、ライ麦、トウモロコシ)を組み合わせて行なうことから、このような名前で呼ばれています。

 

 

混合農業に適したヨーロッパの気候とは

ヨーロッパ中緯度地域は、トウモロコシや小麦などの栽培に適した西岸海洋性気候の影響が強く、農地に適した平地も多いです。良質の牧草と作物の生育に適した環境が広くあるので、家畜飼育を併行して行なう混合農業を大々的に行なうことができます。

 

東西ヨーロッパの混合農業の違い

同じ混合農業でも、東ヨーロッパでは自給作物(生産者自身が消費するために栽培する作物のこと)として、西ヨーロッパでは商品作物(販売するために栽培する作物のこと)として栽培される傾向が強いです。

 

ヨーロッパの混合農業の歴史

混合農業は、中世ヨーロッパの北西部で行なわれていた三圃式農業(さんぽしきのうぎょう)が発展したもの。三圃式農業とは夏作物と冬作物(小麦)を生産する畑と、休閑地(地力の回復の為一定期間作物を作らない耕地)を設ける農業形態です。

 

近世になるとその休閑地を牧草地として、乳牛飼育や肉用家畜飼育が同時に行なわれるようになり、さらに小麦の生産も同時に行なわれるようになったことで混合農業が成立したのです。