スペインの名物料理パエリア
スペイン料理の大きな特徴は、オリーブオイル、にんにく、玉ねぎ、トマト、パプリカパウダーが多用されていることです。羊、豚、鶏などの肉類はもちろん、スペインという国が大西洋と地中海に面しているため魚介類も豊富。
これらの食事スタイルは地中海沿岸地域と共通していて、スペイン料理は「地中海の食事」としてイタリア料理、ギリシア料理、モロッコ料理とともに2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。日本人になじみのある食材が多く使われ、素材の味を活かした料理が多く見られます。
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スペインは日本の約1.34倍の広さがあり、地方によって食文化が異なります。
大西洋に面した北西部の料理は、魚介類を使用した料理が豊富です。世界でタコを食べる国はほとんどありませんが、この地方ではタコを使った料理があります。
フランスに近い北東部では豊かな山の幸と海の幸を使った料理が多く、特にバスク州のサン・セバスチャンは美食の街として世界中に知られています。
スペイン中部は乾燥した大地が広がり、畜産とブドウや麦類の栽培が盛んです。煮込みや炭火焼きといった肉料理が多くあります。
暑い南部はトマトの冷静スープ「ガスパチョ」が有名です。イスラムの影響を受けた食文化が見られるのも特徴です。また地中海に面しているため魚介類が豊富でフライ、鉄板焼き、塩焼きなどで調理されています。
地中海沿岸地方の料理はオリーブオイル、野菜、スパイス、果物、肉、新鮮な魚などの素材が多く使われ、まさに、ユネスコ無形文化遺産に登録された地中海の食事が伝統的に食べられています。
スペインは地方によって気候や風土が異なるため、食文化に関しても、地方によって食材や調理法が異なり、一括りにすることが難しいのです。
「スペインのどこに行ってもあるものはワイン、オルチャータ(タイガーナッツを原料にした飲み物)、クァハーダ(素焼きの壺に入ったヨーグルト)だけ」
という表現があります。
これはスペイン料理に地域差があり、スペイン全土に共通している食べ物はこれくらいだということを表しています。「北部では煮込み、中部では焼きもの、南部ではフライ」と、地域ごとの調理法の傾向を表す言葉も存在します。
スペイン料理を語る上で欠かせないのが「バル」の存在です。小さな町にも1軒はあるというほどスペイン人にとって欠かせない場所です。バーカウンターがある喫茶店または居酒屋という雰囲気で、軽く食事するのはもちろん、友人とのおしゃべりの場として人々の社交場になっています。
スペイン人は1日に5回も食事をすると言われ、朝食、11時ごろの軽食、14時ごろの1日のメインとなる昼食、18時ごろの軽食、21時ごろの夕食という流れで食事します。昼食は自宅で食べる人もいますが、それ以外はバルが大活躍。
特に夕方の軽食はワインを飲みながら「タパス」(小皿料理)や「ピンチョス」(フィンガーフーズ)をつまんでおしゃべりを楽しみ、バルをはしごするというのがスペインでは一般的です。
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